ギルドキャンプの注連縄

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教室の外は雨。 このマナリアにも梅雨があるらしく、6月に入ってから雨の日が続いている。 外はジメジメとした空間が続いているが、教室は賑やかだった。 理由は簡単、一週間後ギルドキャンプが始まるからだ。 「いや~楽しみですね」 妙なテンションでそればかり話すギンタの顔はずっとにやけている。 「はいっ。私も楽しみです」 これも理由は簡単。アンジュと同じ班になったからだ。 ギンタは隠しているつもりらしいが、バレバレであった。彼は間違いなくアンジュのことを慕っている。 このギルドキャンプ。魔物が出る可能性もあるため、危険がある。そのため、戦闘学・魔法学そしてサバイバル知識でもある薬草学・生物学のバランスを考慮して、エマが独断と偏見で決めた班だった。 今はその班で固まり、その予定を立てていた。 4人で一つ。 ミチ、ギンタ、アンジュ。そしてアンジュの隣に座る女子。真っ直ぐな黒髪と黒い瞳、サエだ。 彼女は今、頬杖をつきながら窓の外を見ている。
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