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朝、起きたミチは早速窓の外を確認する。
時刻は朝の5時。
多少雲が散らかっているが、晴れだ。
星読みの予想は当たったらしい。
空を見上げるミチの視界に、自分の前髪がちらちらと銀色に揺れる。
入学してから2ヶ月。髪も大分伸びてきた。
今度ビノーサの理髪店でも探そうかな。
のんびり動く雲を眺めながらぼんやり思う。
「お、ミチ起きたのか?遅刻するぞ」
振り返るとギンタが跳ねる髪を抑えながら、鏡を見ている。
背中には大きなナップサックを背負っている。
今日は、ギルドキャンプ出発の日。
「おはよう。今日は早いんだな」
いつもならミチが先に起きるが、今日のギンタは早起きだ。
時間ならまだ余裕があるが、待ちきれなかったらしい。
生徒は一度全員校庭に集まり、一緒に出発する予定だった。
ミチも寝巻きを脱ぎ、早速着替える。
綿のシャツに、厚手の黒い上着。動きやすいパンツに、ごついブーツを履く。
目的地は未開の山。
夜の山はまだ冷える為、初夏とはいえ厚着の必要がある。
そしてギンタと同様に、大きなナップサックを背負う。
登山道具と食糧。特に大きなテントはギンタと二つに分けたが、それでも重かった。
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