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校庭から出たミチたちの周りには、ぞろぞろと他の生徒達がいる。
だが整地された道から外れ森の奥へ入っていく集団が少しずつ増えてきた。それぞれ目的の場所へと向かっているのだ。
30分も歩くと、ミチ達四人はある森の前で立ち止まった。
「ここから入ればいいんだよな?」
地図を見ながら唸るギンタ。
目の前の森は、山の麓に位置していた。目的地はその山だ。
標高はさほど高くないが、山全部が未開の地と指定されていた。
目的はその山の頂上に群生する薬草の採取。それがミチ達の課題だ。
ミチも地図を確認して頷く。
皆の手元にある地図は、不完全なものであった。
半分完成、といったところだ。
未開の地であるあの山は、山頂を越えた"向こう側"は未踏な為、地図は半分しかできていない。
だが、目的地である山頂は地図の中に含まれている為、支障はない。
この山に棲息する兇魔も、あらかた調査されている為、新種と出会う可能性は無しに等しい。
このギルドキャンプで向かう未開の地は、全てそんな場所であった。
「よーし行こうぜっ!」
ナップサックをガシャガシャ鳴らしたギンタは森へと入っていく。ミチ達もそれに続いた。
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