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入学式が終わり、後は帰るだけ、と思いながら校門を出たところで腕を掴まれた。
驚いて見上げると夕くんが居て。
ちょっと来てくれない?とか疑問系に言ったのに、掴んだ腕は何も言う間を与えず、ぐいぐい問答無用に僕を引っ張って、人気のない狭い横道に連れてく。
腕が痛いと言うと
漸く解放してくれて、何の用かと首を捻ると
いつもよりちょっと真剣な瞳をした夕くんとかち合った。
『那智がずっと好きでした。恋人になって下さい』
この言葉を聞いた時、別に驚かなかった。
【やばい、どうしよう!告白されちゃったよ!ドキドキやばい!!】なんてことも思わなかった。
寧ろ、ああ、やっと言った…………って思った。
だってさ
どう見ても、夕くん僕のこと好き過ぎるでしょ?
これで"好きじゃありません"とか言われたほうが驚きだよ。
どう返したかって?
OKしてなきゃ、今恋人になってないでしょ?
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