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部屋は闇一色に包まれ、相応の雰囲気を醸し出していた。
「……………」
少女は喉を鳴らす。
期待と不安の葛藤。
どちらも譲らなく、ただ飲み込まれないように存在し続けていた。
男性が隠し扉付近にある所に手を伸ばす。
と、当たり前の如く電気が通り部屋を明るくする。
急な光で目が眩くなった――と言う事は彼女は無かった。
男性もまた然り。
光に照らされた部屋は、壁は木の板でコーティングに床はフローリングが施され、奥にはノートパソコンが置かれた机に椅子。
一見すると少々殺風景な部屋。
しかし、変わった部屋であった。
壁には様々な種類の銃器が掛けられていた。
「……………」
少女は息を呑み、その部屋に圧倒される。
銃社会の国とは言え、これ程の数を揃えているのはガンマニアか軍ぐらいだろう。
「大丈夫。これは全てモデルガン(オモチャ)だ」
「………………」
とは言われたものの、この感覚が拭われず言葉も出ない。
彼はそのまま進み、椅子に腰を下ろし、脚を組む。
まるで社長の様な風貌。
先程までの印象と180度雰囲気が違う――引き籠もり少女は感じ取っていた。
さて、椅子に座ったこのオーナーは神妙な面持ちでその場に突っ立つ少女を舐めるような目で見てはほくそ笑み、そして単語の羅列を放つ。
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