2人が本棚に入れています
本棚に追加
AM.7:58――
此処はダウンタウン4番街。
――とある裏路地、薄汚いこの通りに何故か喫茶店が構えていた。
“薄汚い”とは、打って変わって店内の内装は、素晴らしいと誰もが口を揃えて言うだろう。
さて、その店内に置いてある業務用のイスに座っている紳士服を着た1人の男性。
この喫茶店のオーナーであり、たった1人の従業員。
彼は開店前の何時もの日課であるニュース紙を閲覧していた。
ニュース紙の大見出しは『黒い噂 アルバート氏射殺される』と筆記体で記されており、一見すると事故のように見える写真が添付されてあった。
その事についての詳細やら担当記者の見解やらの記事を読んでいた。
「ふむ…、悪いことは出来ないな」
と、彼は一言添えて腕時計で今の時間を確認する。
――AM.8:02
「おや、開けないと」
ニュース紙を折り畳み、出入口へと向かい、ドアを少しだけ開け腕を出して表に掛けている“CLOSE”の看板を反転――“OPEN”に。
彼は早速、カウンターキッチンに向かい、今では珍しいガスコンロに水を八分目まで入れたポットを置き、火を付けて沸かし始める。
その間にカップなどを拭いたり、食材の在庫を確認したりなどをして来店してくれる客を待ち続ける。
最初のコメントを投稿しよう!