奇妙な便り

5/6
前へ
/6ページ
次へ
――――――――――――― ――――――― ――… 「ふぁ…」 大きなあくびをして、ふとリビングのテーブルに視線をおとした。 そこにあるのは、週に一度の、 親としての最低限の愛。 ただの紙きれだけど。 2枚の諭吉さん。 ガチャ。 入ってきたのは、私の片割れ。 眠そうに目をこすって、私に抱き付いてきた。 そして、諭吉さんを見つけると、冷たく言い放った。 「いつものやつね」 と。 そう、両親は仕事に逃げ 週に一度こうして、万札を2枚置いておくのだ。 「これだけで、面倒みたつもりだなんて  本当にバカだね」 この子は、実は毒舌。 服装とかはガーリーなのに…。 でも、料理とか家事が完璧なので 頭が上がりません。 「りぃ、卵といて」 「ほーい」 紹介が遅れましたが、私は 曲頼李彗(キョクライ リエ) 通称、りぃ。 「ほら、ちゃちゃっとやって」 双子なのに、私と違ってしっかり者なのが 曲頼蘭紅(キョクライ イク) ご想像通り、お姉さんです。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加