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試合に勝つことなんてどうでも良かった。あるいは名誉なんてものも僕には必要なかった。
じゃあ何のために投げるのか。
そう聞かれたら僕は自分の楽しみ、快感、生きがいを得るために投げたと答えるだろう。
だって僕は、誰も入ることすら許されぬ小高き聖域に結果はどうであれ試合が終わるまで立てさえすればそれだけでよかったのだから。
けどそれは自分のほんの少しの優越感と汚い周囲の人間のせいで道半ばで野球を辞めさせられ、大事な親友を失った中学時代のあの日々を僕は決して忘れない。
僕は絶対に、野球部には二度と入らない…
そう書かれた卒業文集の自分のページをもう一度見て、彼は眠りについた……
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