プロローグ

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暗い地下の一室……幾つも並べられた冷凍冬眠用の箱…その一つが 空いた。 「………眠い」 中からは長い黒髪の若い女性が重たそうに体を起こした。 (私が起きたということは、何か移住計画に問題か??…またスパイで、人殺しでもさせられるのか) 彼女が周りを見ると、辺りには幾つかの空箱と、中で人の部分が腐っているアンドロイドの姿しかなかった…どうやら、機械は停止し、彼女は偶然、覚醒できたようだ。 (年数で冬眠機械が停止してる?!確かに錆びさすい素材を使用してた物だが、数百年……いや、もっと長く………いったいどういうこと??) 側のメインコンピュータを触ってみるが、まったく反応しない。 自身の内蔵時計も停止している。 (とりあえず、外に出るしかなさそうね。機械を見ると、何人か覚醒してるらしきアンドロイドもいるしね。) ため息をついて、面倒臭そうに歩き、地上にむかって階段を昇った。
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