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 1階に降り居間へ向かうと、窓のそばに座る双子の妹の桜がいた。カーテンを大きく開け、そこから入る陽の光を浴びている。  「桜、おはよう。」  声をかけると桜は振り向いて僕のほうへ寄ってくる。その動きはさながら猫のようだな、と思う。いつものことで、もう慣れてしまっていた。  「遊びに行くけど、桜も行く?」   桜はその問いに黙って頷く。幼い頃からの友人だから、桜も知っているし。友人も桜のことを知っている。昔から遊ぶ時はいつも一緒だった。  僕自身、連絡をくれた彼以外の友人と休みに遊びにいくことは多くはないし、行ったとしても桜を誘うこともない。だから詳しく説明しなくても、誰と遊ぶのか理解している。  そう言えば、何時からなんだろうか。とりあえずメッセージを入れると、間もなく、  『1時くらいからでどう?』  と返事が来た。特に問題なかったから、  『了解』  とだけ返しておいた。
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