始まりは雨の降る日

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「おっ、あれっ?」 最悪だ。パンじゃないじゃないか。 「あるぇ?なんで乾パンが……」 …記憶を辿ってみようか。 えーっと、仕事終わって、帰り道の途中にあるコンビニ行って、それから…… ……あっ、そうだった。 あまりいいパンが無かったから、ネタで乾パンにしたんだ。 流石俺!特に誰か見てるわけでも無いのにネタを提供するなんて流石だよ! 「……はぁ」 ため息をつく。自業自得だというのに。 仕方がないので乾パンは非常食棚へ突っ込み、歯を磨き、仕事着に着替える。 「行きにコンビニ寄るかな…」 会社への通勤路に『フェアリーマート』というコンビニがあるんだ。 別に『フェアリー』だから妖精が居るわけでなく、ただ妖精さんに会えたらいいな!という店長の願望だそうだ。 もうダメだあの店長。手遅れだ。 「行ってきまーすっと」 仕事着に着替え、準備万端になったので家を出る。 今日も何事もなく終わりますように。 そう思いながら俺は家を出た。
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