将軍との対面

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屋敷に帰った後、私は自分の部屋に閉じこもり、先日兄上がくれた本を読んでいました。 時間が経つごとに、御所様の"乳臭いおなご"発言に腹が立ってきました… 乳臭いって、自分だって乳臭いじゃないですか。 全く失礼な人ですね。あんな人の妻になるんですか、私は? 「富子、今良いか?」 「はい。」 兄上は何かを持って入って来ました。 「大御台様より月餅を頂いたので、一緒に食べようかと思って…」 「頂きます!」 実は私、お菓子が大好きなんです。 「兄上、美味しいですね。」 「そうじゃな。」 うう…何でしょうか?何だか気まずいです。 「富子…」 「はい。何でしょう。」 「お前、御所様の言葉…」 「ああ…」 食べかけの月餅を一気に頬張り、侍女が持って来てくれたお茶を流し込みました。 「いくら御所様とはいえ、あのような言葉は失礼です!!」 「そうじゃな。悔しいか?」 「はい!悔しゅう御座います!!」 「なれば富子、どのような女にも負けぬような、女になれ。」 「………はい?」 「都で…いやこの国一番の女になれ。」 兄上が云わんとしてる事は何と無く分かります…。 「御所様を見返そう。な、富子。」 「はい、兄上!私、御所様を見返したいです!」 こうして私たち兄妹の復讐劇が始まりました。 見てなさいよ!御所様! "乳臭いおなご"って言った事、後悔するぐらいの良い女になってやるんだから!!
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