将軍家へ輿入れ

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何やかんやしてたら、8月27日になってしまいました。 今日、これから私は足利将軍家へ輿入れします。 さすがに緊張しますね。 現代では私はまだ独身だったので、尚更です。 「兄上、今までお育て頂き、有難うございました。」 今更だけど、私の父上は出家して家督を兄上に譲られていたので、私はほとんど兄上に育てられたようなものなんです。 「うむ、富子よ、今日から其方は将軍御台所じゃ。御台所として務めを果たせ。」 「はい!」 こうして私は、兄上や側で仕えてくれた侍女たちに見送られながら、将軍家へ輿入れしました。 ふふふ、待ってなさいよー!御所様ぁー!! その頃、室町御所は ーーーー 「御所様、これから富子殿との婚儀じゃ。」 「…はい。」 あまり乗り気じゃない義政は、取り敢えず母に返事をした。 「あれから富子殿にはお会いしておらぬが、評判の美人に成られたようじゃ。楽しみじゃな。」 「そうですね。」 またまた乗り気のない返事を重子は無視した。 「さて、まだ刻がある。婚儀が始まれば余り休めぬからの。」 「はい。」 「今はゆるりと休まれよ。」 「はい、母上。私はこれにて…」 義政は一礼をすると、さっさと自分の部屋へ引っ込んでしまった。 「はぁ…やれやれ。それより、富子殿には何としても義政に取り入って貰わねば…。義政も富子殿を気に入れば、お今なぞ、もはや敵ではないわ。」 ふふふ、と笑う顔は何処か恐ろしかったそうな…。
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