将軍家へ輿入れ

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戻って富子 ーーー 室町の御所に着いた私は、ある部屋に通された。 ここで婚礼の儀が行われるそうです。 まだかまだかと待ってると、年増の女が現れた。 「富子様…失礼。御台様、御初目掛かります。今参局と申します。 これより婚礼の儀を執り行わせて頂きまする。」 この年増が今参局か。 さっきから殺気がこもった目線送ってくるけど…。 まぁいいわ。御所様さえギャフンと言わせればこっちのもんだわ! それから御所様が現れた。 あれから6年経ってるから、今20歳か。まぁまぁ良い男になってんじゃないのよ。 「姫…、噂には聞いておったが、誠に美しゅうなったな…」 第一関門クリアってとこかしら? 「勿体なき御言葉で御座います、御所様。」 「うむ、これから儂ら夫婦になる。末長く宜しく頼むぞ。」 「はい。」 さっきから年増の目線が痛い。 でも無視!私には(自分で言うのも何だけど…)美貌と若さがあるんだ! あんたと違って私はまだまだピチピチなのよ! でもこの年増、あの大御台様が目くじら立ててた今参局よね。 油断大敵だわ。 どんな手打ってくるか分からないし。 でも変に私に攻撃してこないはずよ。 そんな事してみなさいよ、実家の日野家を始め、公家衆を敵に回すようなもんよ。 日野家の財力と人脈分かってんなら、変な事しないわよね。 この年増、阿保ではなさそうだし。 うーん…これから苦労するわねぇ。 取り敢えず、この年増を黙らせる事から始めるか。 悪いわね、御所様。 自分で言うのも何だけど…私の虜になってもらうわよ!
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