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「臨也ァァァァァァァァァァァああああ!!!!」
夕日が辺りを照らし影を伸ばす。子供たちは帰路につく、そんな時間帯の公園。
そんな中、学生服を着た二人の男がいた。一人は恐ろしいほど顔立ちが整っており老若男女問わず見とれてしまいそうな男だった。
そしてもう一人。その男は恐ろしく平均的な顔立ちをしており恐ろしく平均的な体格だった。
おかしい点があるとすれば、一つある。
それは、なぜか微笑んでおり今にも死にそうな状態で倒れているからだ。
顔立ちの整っている男がそれを抱きかかえていた。男は叫び、倒れている男を揺らす。
「おい、臨也!! しっかりしろ!!」
「へへ、わりぃな京介・・・。ドジ、踏んじまった・・・」
声も絶え絶えにそう言う。そう言った男の名は園崎 臨也(そのざき りんや)。イザヤとは読まない。
「バカ野郎・・・。姉萌えなばかりに・・・!」
臨也を抱えているイケメンな男。名は小野 京介(おの きょうすけ)。二人の関係は親友である。
「ここまでボロボロじゃあ、もう長くはねぇ・・・」
「傷ないけど」
「あぁ、眠くなってきやがった・・・」
「傷ないけど」
そう、臨也の体は綺麗そのものだ。
だが何故か疲労感と悲壮感が漂っている。
「短い人生だったなぁ・・・」
「ッ! 駄目だ、臨也!!」
臨也の手の力が弱まる。今にも崩れそうな手を握って支える。
「また二人で追いかけよう?」
「へっ・・・」
それだけを呟くと臨也の手の力がなくなった。それは、まるで死人かのように。
「りん・・・!」
その手を握り、確かめる。
温かい。
「・・・うああああァァァァァァァあああああ!!!」
夕日に向かって悔しさや嗚咽の混じった雄叫びをあげる京介。
なぜ彼らがこうなったのかはすぐに明らかになる。
「ままー、アレなに?」
「見ちゃダメよ」
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