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じゃあ帰ろうか、心配してるだろうし。
…じゃあさっきみたいに僕たちを送っておくれ。」
アルスは彼の足元に語りかける。
すると“わかった”という風に足元が光る。
次の瞬間、彼の姿は建物の闇に飲み込まれてしまった。
そして、大鐘楼の下の路地の暗がりから深緑の布を纏った少年と黒猫が出てきた。
「あれ…
宿はどっちだっけ?」
「右に曲がりゃあ着く。
それくらい覚えとけ、俺が居なくなったらどうするんだ?」
「あ~ごめんごめん。
次からは気をつけるから。」
「さてどうだか?」
~~~~~~~~~~~~~~~
「アルス、どこに行ってたんだ?
急に出ていくもんだからびっくりしたぞ。
せめてどこへ行くかくらい言ってくれ、頼むから。」
「あ~ごめんごめん。
次からは気をつけるから。」
「さっき同じことを聞いた気がする…」
ネスラが呟いた。
「うるさいよ。」
「なんか言ったかい?」
びっくりしたようにシルクが振り返る。
あわてて何でもないと首を振り、その拍子に落ちてしまったネスラにおもいっきり引っ掻かれてしまった。
「フー!」
「うわ、か、顔は…ぎゃああああ!」
悲鳴が響きわたる
「自業自得だな。」
「シ、シルク、ひどいと思うよ…」
抗議の声をあげるも黙殺されネスラには威嚇され味方のいないアルスだった…
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