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「ありがとうございます。」
「なあ、シルク。
そんなに気に入ったのか?」
「ああ。
今まで食べた中で最高の魚だよ。
というかたまに食卓に上る魚は干物か燻製で焼き魚じたい滅多に食べられなかったんだ。」
「ああー
そういえばコアルは台地の上の草原を通る街道の分岐点だったな。」
「確かにコアルはヴァネッシアから続くコアル街道と北の街道が別れるところだな。
牧畜くらいしか農業はしていないな。」
「けど北方諸国なんかと交易が盛んでいろいろ珍しいものがあるんだろう?」
「確かに台地の下とは町の作りからして違うな。
ヴァネッシアについたとき本当に同じ国か疑ったよ。」
「やっぱそうなんだな。」
「この街以外でこの魚を食べられるのは王様くらいだ……ハハハ!!その黒猫もよほど気に入ったらしいな!」
突然ネスラがアルスの目の前に飛び降りたかとおもうとその魚をバリバリ食べ始めた。
あわててアルスが取り返した時には尻尾の骨しか残らなかった。
当然、
「ネスラ~!!
オンマエヌワアア!!!
許すまじ!」
激怒したアルスがネスラを追いかけまわすわけである…
「いい加減にしろ!
(何かが倒れる音。)
…ふぅ、やっと静かになった。」
まるで悪を滅ぼしたかのような満足げな顔をしたシルク。
その手には血の滴る抜き身の剣が…
ということは流石になく、拳を鳩尾に叩き込んだようだ。
彼の足元に崩れ落ちたアルスはピクリとも動かない。
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