ナウサルディアにて

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太さは大の大人が二十人手を広げてようやく一周できるだろうかというほどである。 三本のオークの木が太くなり繋がってしまいひとつの木ののようになっている。 「す、すごいな。」 「本当に森は偉大だよ。数多の命を育み、時には永い年月を感じさせる。人などちっぽけな存在だとつくづく感じさせられるよ。 …じゃあ幹の下の穴から地下にもぐるから後ろに着いてきて。」 「わかった。 だが大丈夫なのか?」 「勿論だよ。」 そういうとクェルの懐から杖を取り出す。 「よく入っていたな。 というかそれで闘うつもりか?」 「大丈夫だから、信用してくれないか?」 「す、すまない。」 どこかシルクはまだ納得できてはいないようだが素直に引いた。 そしてアルスと肩に乗ったネルスが前に、シルクが後ろに続いてオークの幹の下の穴から洞穴へと入っていった。 「アルス、カンデラは持っているか? さすがに暗すぎる。」 「あぁ、そういえば普通はこんな暗がりじゃあ何も見えないよね。 光よ点れよ。 これでいいかい?」 杖の先に青白い、しかし決して弱々しいわけではないが強くもない、ちょうどよい明るさの光が点いた。 「な? なにが起きた?」 魔法など見たことも聞いたこともないシルクは取り乱す。 「アルス! お前、魔法を見せるとはどういうつもりだ!!」 「ネルス、落ち着いて、シルクが驚いているじゃあないか。 シルク、とりあえずここの主にあったらわかるだろうからそれまで説明は待っておくれよ。」 「あ、あぁ、わかった。」 わかったと言ったもののシルクはかなり動転していた。 落ち着いてきた頃には前方から微かな光が漏れてきた。 「随分変わり者だね…」 「こうやって俺たちを呼び出した時点で変わり者だ。
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