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で、後ろのシルクとか言うやつは大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。
もともとコアルス家は代々武官を輩出してきた武門だ。私も幼い頃から鍛えられてきたしなにも一人でろくな武具も持たずにドラゴンに立ち向かえと言う訳じゃあないんだから…」
「似たような物さ。」
「なに?」
「ネルス、そんなに嚇かさないでも良いだろうが。
けど普通は猫に喋りかけられたら気が動転しそうなものだけど。」
「後で説明してくれるんだろう、ならそれでいいのさ。」
「と、無駄話はこれくらいにしてと、そろそろ主のお出ましみたいだよ。」
そうアルスが言うとともに狭く暗い隧道が急に広い空間に変わった。
外と繋がっているようで光が漏れてきた。
そよ風が通る。
「ようやく来ましたか。待ちくたびれましたよ。」
「だ、誰だ!?
どこにいる!?」
シルクが誰何する。
すると上の方から差し込む光の中に一人の女性が歩み出た。
アルスはその女性の顔にどこか既視感を覚えた。
「ふふふ、君のご先祖様に向かって誰だはないんじゃあなくて?」
「先祖だと?お、お前、まさか!」
「そのまさかよ~
コアル大地の遊牧民族を服属させ砂漠の通商国家群をその保護下に置いた・・・」
「コアル侯爵家五代当主コアルス侯ミーア。
今よりも激しい男尊女卑の世界で武官としての最高位総大将軍についた唯一の女性。
俺の先祖だ。」
今ここにいるのはいったい何なのか、シルクには訳がわからなくなってしまった。
「お前、魔物だな?」
アルスが問う。
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