ナウサルディアにて

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「ここにってこの棺にか?」 「ええ、わかったなら早くして。」 その棺はアラバスターで作られているようでその白地の上に彼女は赤土で文字を書く。 「その紋様は?」 「古代ウルム語よ。 詳しくはさっきのところで待っている彼に聞いて頂戴。」 「なんでアルスは知っているのだ? なにか関係あるのか?」 「関係ねえ、そう、彼も力を持っている魔法使いだということよ。」 「魔法使い?なんだ?それは。」 「話は後で。 さ、できたわよ。」 彼女が手を止めたその瞬間、棺の内が光り透けた光がシルクを包む。 「な、なんだこれは!?」 光がシルクを包み、5分はたっただろうか。 やがて光は消え、気絶したシルクが倒れこんでいた。 「さて、魔法使いの君~ こっちに来てちょうだい!」 すると部屋の隅の暗がりからアルスとネルスが表れた。 「お前、いったい何なんだ?」 アルスが問う。 「かなりやばい魔物なんだろうがな。」 ネルスは続ける。 すると彼女は笑顔で、 「ドラゴンよ。 あと名前はファルコニフォムス。 お前呼ばわりしないで頂戴。」 「それはそれは…本当にやばい魔物だね。 ファルコニフォムスだっけ、とりあえずごめん。 けど何でこんなところに?」 「何でこんなところに?そりゃあミーア様の願いを叶えるためよ。 何か文句でもあるかしら?」 「いやあ、ないさ。ただ誇り高く孤高の存在だと聞いたドラゴンが人の姿をして地上に留まっていることが不思議でね。」
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