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「さあねぇ…
気に入ったのよ、ミーア様のことが。
それでよ。」
「それだけ?
まあそういうことでいいよ。」
「えっらそうに。
良かったわねえ、私がこんなドラゴンで。
下手したら死んでたわよ、あなた。」
「どういうこと?」
「どういうことって…私が優しいドラゴンで良かったわねってことよ。」
「そのようですね。
で、シルクの様子は?」
「魔力がいきなり体に入ってきたものだから拒絶反応を起こして気絶したわ。
あとは…」
「彼次第というわけですか。
まぁ、待つだけというのも芸がないですね。
『闇よ、彼の苦しみを和らげておくれ。』
どうかな?」
シルクの寝かされている回りが黒い霞の様なものに覆われる。
「あら、あなた若いのに人に働きかけられるの。」
どこか感心した風である。
「自然に力を借りているだけですよ。
闇は偉大です。
いつも光に劣るものとされますがね。」
「闇なしに光は存在し得ない。また逆も然りね。」
「そのとおりですね。」
頷きつつアルスはシルクのほうを見やる。
「お、無事に起きたようですね。」
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二人と二匹は洞窟を出る。
「魔法使いねえ…まだ実感が湧かない。」
「実感が湧かないって
まぁ知らなかったのだし王都に着くまでに魔法についてしっかり学んでもらうよ。」
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