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貴族では無いですがカイル建国前にはエリメリスという姓を名乗っていたそうです…取り敢えず薬師と言うか施療師と言うか占術師と言うかんまあ何でもやってますよ。それで今度カイド王国立総合研究所とかいうところができるときいてそこで僕の知識を広めて世の役に立つ研究をしたいんです。」
「エリメリス家?聞いたことがあるような無いような…まぁいい、それより何でもやってますって言うのが気になるな。」
「ネスラ、エリメリスなんて言わないほうが良かった?」
「馬鹿か。もう俺は知らん。」
あ…なんか変な目で見られてる…
「何か言ったか?ところでその黒猫は?」
「いや、何も言ってないです…。えっとこいつはネスラって言います。なぜか着いてくるんですよ。」
「ふぅん。
…そうだ、実は私は王都の方で仕官することになっていて王都に行くんだ。
旅は道連れとも言うし一緒に行かないか?宿も二人で一部屋借りれば宿代も浮くだろうし。」
「いや、遠慮しておきます…」
「いや、まさか貴族向けの豪華な旅館に泊まるわけではないし同じ部屋がいやなら別々にとればいいし、とにかく一緒に王都まで行かないか?」
「そこまで言うのなら…。あ、同じ部屋なら宿代も浮くので助かるし、お願いします。」
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「ここなんかどうだい?」
そういってシルクが指さしたのはごく普通の宿だ。
「いいんじゃないですか?清潔そうですし。」
「んーあんたらとまるのかい?」
二人が宿に入ろうとすると向かいの八百屋の店主が声をかけてきた。
「はい、そうですが何か?」
「あぁ、実はそこの宿の夫婦には一人娘がいるんだがね、病気にかかっちまって大枚はたいて医者に見てもらっても不治の病って言われて二人ともふさぎこんでいるんだ。
頼むから他所にいってやってくんないか?」
「そ、そうなのか…。わかった、ありがとう。アルス、他所をあたるか?」
「…ちょっと行ってくる。」
「お、おい!?さっきの話聞いてなかったのか。全く。」
そういうとシルクもアルスを追って宿の中に入っていった。
「なんだね?泊まるんなら他所を…」
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