3、桜の行方

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部屋に来るように言われて、おばあ様の後を着いていきながら、先程の疑問を口に出した。 「おばあ様…お金使ってなかったの?」 「使ってましたよ」 …はぁ?さっぱり意味が分からない。 おばあ様は部屋に入ると、ポンとあたしの手に先程の包みを乗せた。 そっと中身を覗いて見ると… 「…えっ!」 「えぇ、懐紙です」 中身は当然札束だと思っていたのに、なんとお茶の時に使う懐紙がたっぷり入っているだけだった。 「おばあ様って……役者」 永野さまもすっかり騙されたんだね… てか、じゃあって向こうが持って帰ったりしたら、どうするつもりだったんだろう… 「おや?お前に言われたく無いですよ。 桜介は生きてるっていうのに、あんなお芝居したのは誰かしら?」 「おばあ様、知ってたの?」 洗脳されてるおばあ様には言わないで置こうと思った情報を、あっさりおばあ様が口にするから驚いた。 「知花さまに聞きましたよ。 話しは戻りますけどね、借りた物は借りた物です。直ぐには無理でもキチンと返して行きましょうね」 「…はい、でも…なら何でさっきあんな事を……?」 「ああ言わせてしまえば、直ぐに返せとは言われないでしょう?明日明後日では返せませんからね」 「おばあ様には敵わないですねぇ…」 「年の功ってやつですよ」 ……
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