3、桜の行方

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おばあ様と、永野絵里の私物をまとめながら、久しぶりに色々と話をした。 「…おばあ様は、なんで永野絵里の言いなりになってたの?」 「そうですねぇ、疲れたのかも知れません。 跡継ぎも居なくなって、やっていく先が見えなくなってしまいましたから」 「……今…も?」 こんなへなちょこ跡取りじゃあ、安心出来ないよねぇ… 「今は違いますよ。これからお前をしごくんですから疲れて等いられません」 「…お手柔らかに…お願いします」 おばあ様のしごきは、ごはんを食べる元気も無くなるくらいクタクタになると、桜ちゃんが言っていた。 …大袈裟に言ったんであって欲しい……切実に… 「でもね、少しだけ期待していたのかも知れません。 花乃が、自分の力で立ってくれるのを、どこかで期待していたんですよ」 「その為に永野絵里を野放しにしたの?」 「そうねぇ、これ事で危機感を持って動き出さなければ、あなたは決して跡を継ごうなんて思わなかったでしょう?」 「…それはそうかも知れないけど……」 それにしても、かなりの逆境でしたけど… 「でも、大きな賭けでしたよ。 お前がやり込められて畏縮して、出ていってまう事も十分考えられましたからね」 …確かに逃亡も企てましたとも。 そんな話をながらも、永野絵里の服をバッサバッサ段ボールに詰めていく。 「もう少し丁寧に扱いなさいな」 「…はぁい」 「返事はハッキリ!」 「はい!!」 だって、あんまり触りたく無いんだもん… 香水の匂いキツいし…てゆうか臭い。 触った手にも匂いが移りそうで、ササッと段ボールわガムテープで封印してしまった。
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