4、小さな手

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「十夢さん、ごはん食べてないのぉ…?」 「…食べてるぞ?」 小動物は、まだしっかりお腹に抱き付きながら、彼女から遥か上にある知花さまの顔を見上げて言った。 ……お客さまに小動物は失礼かも知れないけど、口に出してはいないし大丈夫よね? 「なぁに言ってんだか。 そんだけ目が泳いでてよく言うよ~」 大澤さまの言葉に、明らかにやつれた知花さまは困ったように微笑んだ。 「花乃、お部屋にご案内して。 お部屋でゆっくりなさって下さいな」 おばあ様に促されて部屋に案内するものの、知花さまから離れない小動物… それを引き離そうとする大澤さま、と何だか三人でじゃれているようで楽しそうだ。 「るぅちゃん!もういい加減離れようよ~」 「やっ!」 「よしよし、瑠璃は俺が大好きだもんなぁ?」 「……あの…こちらをお使い下さい」 部屋の前に着いたんだけど、なかなか口を挟めない。 ちょっと寂しいなんて思ってしまった自分が嫌になる。
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