4、小さな手

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「あっ、あのですね…」 どもるなっちゃんなんて珍しい物を見れたなぁ。 なっちゃんも、この目には弱いってか? 「……言わなきゃ分からない事ってあるんですよぉ」 それだけ言うと、固まってるなっちゃんからは視線を反らして翔を見上げた。 「なぁに~?るぅちゃん」 「十夢さんにごはん食べさせたいよぉ」 「いいよ~、じゃあちょっとお願いしてこよっか?」 相変わらず瑠璃には甘い奴だなぁ。 立ち上がった翔について、瑠璃も部屋を出ていってしまった。 …まぁ、板場の場所くらい覚えてんじゃねぇかなぁ? 二人が出ていった途端、ゆっくりと花乃ちゃんが起き上がった。 「か、花乃?」 「すみません、ちょっと起きづらくて…」 髪を整えながら苦笑いして見せた。 泣いたから目が少し赤いけれど、スッキリしたように見える。 「那月さんでも、言い返せない事があるのね…?」 「そうですね、あんな純真無垢な瞳は久しぶりに見ましたよ」 「フフッ、あたしも困っちゃいました… あんなキラキラした瞳、とっくの昔に無くしちゃったから…」 「私は、花乃の瞳の方が好きですけどね?」 「…………職場放棄しちゃってたので戻りますね。すみませんでした」 花乃ちゃんは、少し黙った後に切なげな微笑みを残して部屋を出ていった。
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