あぶくたった

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「へぇー」 目の前に出されたスマホの画面には、地元では有名な童歌の解釈を載せたサイトが開かれていた。 「これ、面白そうじゃん」 スクロールして見て、 「だろ?」 と楽しそうにしている柚希に返した。 「かごめかごめとかは有名だけどさ、それは知らなかった」 「俺も俺も」 後ろにいた、冬と浩も同意する。 「やってみないか?」 内容に、不思議な魅力を感じていた俺が言うと 「じゃあ、夜に校庭でやるか?」 「そうだな」 「用事ねーし」 「うーす」 とそれぞれが楽しそうに頷いた。 「あー。六人じゃないと駄目みたい」 「あーじゃ、夏でも誘う」 「おー弟参戦かー」 「たっつんは?」 「あいつ好きだし、いんじゃね?」 「たっつんは誘ってある」 柚希が親指を立てる。 「おー流石、オカルト同盟……」  俺達は昔から、不思議な事が好きで、こっくりさんやら、親指隠しや、お憑かれさま、順呪などやっていた。  まぁ、一つたりとも不思議な出来事には出会った事はないのだが……。  それでも、こう何だか謎めいたモノはやるだけで、一つ不思議な世界を覗いたような気になるのだ。  だから……、俺達は油断していた。  まさか、そんな中に本物があるなんて事、考えてもいなかったから…………――。
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