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扉が開き、二十代半ばぐらいの
狼を思わせる逆立った髪の男が
部屋の中へと入ってきた。
「はぁ、相変わらず凄い魔力探知ですね学園長。
一応、気配はおさえたつもりなんですけど…
んで、この子たちが新入生ですか?
実力が中途半端だとうちのクラスではいじめられますよ。」
二人には聞かなかったが
俺と同じくいらつきながら聞いてただろう。
俺らは幼少期からある理由で鍛え続けてきて今の実力がある。
”弱い””実力不足”は俺らにはタブーだ
「彼らなら大丈夫ですよ。お願いできますか?」
「まかせてください。お前らの担任になる翠風ロウだ。
お前等いじめられても文句言うなよ。俺のクラスでは弱い奴が悪いんだ。」
…態度でけぇな
「俺より強い奴がいたらこの目で見てみたいよ。」
「僕たちに勝てる人なんていませんよ。」
「俺やフェイルならともかく、
ガイアはぜってー負けねーからな。」
俺たちは自意識過剰ではなく、まじで強いのだが、初めて会ったロウがそんなことを分かるはずもなく…
「…ん。いい自信だ。その自信が打ち砕かれないように頑張ってくれ。
後、授業は明日からだから、今日は寮でゆっくりしてな。
では、失礼します、学園長。」
ロウは俺たちに忠告をした後、
学園長に会釈をして部屋から出て行った。
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