僕はいつも通りの日常を送る

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誰かが定義した訳ではない。しかし、神や天使=金髪の法則は世界中に精通した。 後の芸術家、近代の漫画家、現代アニメーターは女神や天使を描く時、髪は決まって金髪だ。ブロンドなのだ。あたかもそれがアイデンティティであるかのように誰も崩そうとはしない。 地毛だろうが染めていようが金髪の似合う美女は皆女神の生まれ変わりだと俺は信じて疑わない。 ロングストレートの金髪美女。ショートの金髪美女。太陽の光を反射して煌めく金髪美女。風になびいてふわっと浮いた金髪美女。金髪縦ロールの美女などなど……。 声を大にして言おう。すべてにおいて金髪美女は最高だ!! 加えておっぱいが大きければもっと最高だ! これは金髪とは関係ない。単に大きなおっぱいが俺の好みというだけ! さて、そんな俺の前に理想とする美女が目の前にいたら、俺は一体どうなってしまうのか。 答え―――興奮が止まらくなる。 「はあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあ……」 「あ、あの……息が荒いですけど、もしかして苦しいんですか?」 いいえ。興奮しているだけですどうぞお気になさらず。 俺の顔を覗き込む金髪碧眼の清楚系ダイナマイトバディの美少女に熱い眼差しを返しつつ、俺は心の中でそう思った。今すぐプロポーズしたいと思った。でもそんなことはしない。初対面の相手にプロポーズして成功する確率がどれだけ低いか考えるまでもない。 まずはお友達から始めようというわけで連絡先を交換しませんか? と言おうとしたのと同時に、俺の脳内に疑問が生まれた。 先に口から出たのはその疑問だった。 「あ、あの……ここはどこですか?」 「総合病院です。事故の後、運ばれたんです」 「事故……?」 「覚えてないですか?」 金髪美少女――ヒヨル・スリムルさんが完結に説明してくれる。俺は今から三日ほど前に大型トラックに撥ねられたそうだ。 トラックを運転していた運転手に過失があった訳ではない。ヒヨルさんが言うには、車道に飛び出た猫が大型トラックに撥ねられそうになって、そこにたまたま近くでヒヨルさんをナンパしていた俺がその猫を助けようとしたそうだ。その結果、俺はここにいるらしい。
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