僕はいつも通りの日常を送る

8/10
1411人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
僕が小説を書く理由。 それは、そのサイトの中で僕にたくさんのファンがついてくれたからだ。お世辞だろうけど中二臭い稚拙な小説を良かったと言ってくれる人がいてくれたことが嬉しかった。勿論、常に上位にいる大人気小説を書いているクリエイターと比べたらファンもコメントの数もずっと少ないけれど、今ある数だけで十分に満足している。 それに、ライフワークとでも言うのか。その1年の間にすっかり週間化してしまったんだ。今のところ辞めるつもりはない。 いつの日か僕の書いた小説がランキングの上位に入ることを目指してこれからも中二病臭いファンタジー小説を書いていくつもりだ。 学校から帰宅後、僕はすぐに自室に戻って勉強机の上に置いてあるノートパソコンを起動させた。すぐにネットに接続して休み時間や退屈な時に妄想していた話を物語として形にしていく。 僕は昨日から新しい小説を書き始めていた。『戦乙女×戦乙女(?)』という小説だ。大まかな内容は不幸な事故で一度死んで戦乙女(ワルキューレ)として転生した主人公三ツ谷ミノルが元戦乙女のヒロインヒヨルと協力して天界から降りてくる刺客を倒していく、というものだ。 書き出したばかりで今後の展望はまったくのノープランだが、まあ書き進めればそのうち固まっていくだろう。 カタカタ、カタカタカタカタ…… 僕は両目をPCに釘付けにして小説を書くのに没頭した。一切手を止めることなくキーボードを叩いて文字を打ち込む。 学校でぼんやりとイメージしていた妄想は全部形にできた。さて、この続きはどうしようか。 キーボードに置いていた手を下ろしPCに近づけていた顔を一度離す。少し書き疲れていたのでアニメでも見て癒されようかと思いつつ、マイページに戻る。 すると新しいコメントが届いたという知らせがあった。僕はマウスを操作してそのコメントを開く。 『新作読みました! 今後の展開が楽しみです。前作と同じくらい期待しているので頑張ってください!』 あるファンからの応援コメントだった。新作を書き始めてからそんなに日が経っていないので、こういう応援コメントはちょくちょくあった。 応援コメントをくれたのは『ももっちー』さん。この人はエブリ☆スタの中で今大人気のクリエイターだ。
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!