僕はいつも通りの日常を送る

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ももっちーさんは僕によくコメントをくれるクリエイターだ。僕と同じクリエイター歴3年なのだが、投稿した小説の数は僕より圧倒的に多い。ももっちーさんは僕の4倍……24冊もの小説を書いていた。 ファンタジー、ホラー、SF、ミステリーなど書いた小説のジャンルは様々。しかもどれも面白い。24冊の内、総合ランキングで100位以内に入ったものが18冊、その内、10位以内が6冊で、3位以内には2冊ある。 知らない人からすれば名もない素人作家なのかもしれない。でも知っている人からすれば……少なくとも僕にとっては本物の作家に近い人だ。まだ書籍化の話はないらしいけど、直にその話も来ることになると思う。 そんな、雲の上のような人が、総合ランキング700位から800位の辺りをうろうろしている僕みたいなクリエイターに期待していると言ってくれる。社交辞令だったとしてもやる気が出ると言うものだ。 僕はすぐにコメントを返す。 『応援ありがとーゴザイマス!! ご期待に応えられるよう頑張ります』 ……ご期待に応えられるように頑張る、か…… 送った文章を見ながら、大言壮語だな、と思った。最後まで書くつもりはあるけれど、期待に応えるつもりはない。というか、応えられる自信がない。 今までに書いたどの小説も、読み返すと反省点ばかりが浮き彫りになる。良いと言ってくれるファンはどこを評価してくれるんだ? と疑問に思うことが多々あった。 書いている自分がそう思うくらいなので僕の小説はあまり良作ではないのだろう。僕の小説がランキングの順位が700位から800位辺りなのは、その現れだと思う。 などと考えていると、またコメントが付いた。『ぬこ太郎』さんからだった。 ぬこ太郎さんは僕に着いたファン第1号で、週に1回は何らかのコメントをくれる人だ。ちなみに、ぬこ太郎さんはクリエイターではなく、読み専門の人だ。 『新作出したんですね。更新頑張ってください』 僕は返信する。 『応援ありがとーゴザイマス!!』 送られてきたコメントに対する僕の返答は『ありがとーゴザイマス!!』の一辺倒だった。お礼以外のコメントをすることはない。自分から話題を振るなんてもっての外だった。
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