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北欧の冬は厳しい。一言で表現するなら、暗い。
初めて過ごすストックホルムの真冬。日照時間の短いことには驚いた。
十二月ともなれば、陽が昇るのは九時ぐらい。二時過ぎには沈んでしまう。
暗く長く続くこの季節を灯してくれるとして崇められているのが光の守護聖人、聖ルシア。
中旬に行われる聖ルシア祭はクリスマスと並んで大切な冬の行事なのだという。
「ちょっと想像と違ったなぁ。」
「確かにな。」
苦笑いしながらの帰り道。
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