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「じゃあお前は授業を抜け出したって事か?」
「な、な何を言ってるのよ! 私はちゃんと先生に保健室に行くって言ってるに決まってるでしょ。あんたと違ってやる事はちゃんとするに決まってるでしょ」
「ふーん。保健室ねー……」
琴美と誠也は幼い時から知り合いで中学へ入学と成った時から一緒で親同士も仲がいい。簡単に言えば幼なじみである。
「まぁいいわ。今日は二時間目で終わりになるって」
「マジで! 今日、学校で何かあるのか?」
「詳しい事は分かんないけど、なんか国の偉い人達が決めたらしいわ。全ての学校も仕事も十時半迄なんだって。つか、あんた今喜んでるでしょ」
「全然、全然、喜んでねーよ。所で、学校も仕事も午前中だけってすげーな」
琴美は軽く腕を組むと右手の人指し指で自らの頬をポンポンと二回つついた。
「確かにそうよね……。まぁ、家に帰って大人しくしなさい! って事なんでしょ。つか、それよりあんたは――」
腰に手を当てお辞儀をするように琴美は自らの顔を誠也にぐっと近付ける。不用意に現れた右手は力強く誠也の頬をつねった。
「授業はどうするのよ~」
「イタタタタ...出ます。授業出ますから」
「ふん、よろしいでしょ。じゃあほら、行くんでしょ」
琴美が先に部屋を出る。やっぱりコイツ、何か日本語がおかしくないか?少しそんな事を誠也は思ったが、それをツッコンでしまうとややこしい事に成りそうだ。それにつねられる攻撃は素直に痛い、また食らうなんてまっぴら御免だ。だから、ここは黙っておこう。その考えに誠也はたどり着き黙って琴美の後に着いていった。
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