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「まっ、時間を見なかった俺達がいけない訳だし。しょうがねーべ」
「あんたはちゃんと卒業しようと思わないわけ? 本当……―」
琴美は何かを言いかけて、重要な事を思い出し「あっ!」と言った後、続けて
「先生にプリント配っておいてって言われてたんだった。委員長としてやばいでしょ!」
と言い、校舎の方に走り去っていく。誠也は独りに成ったが騒がしい奴がいなくなった事に気が楽になり、視界に端に入った花は咲いていないが桜の木の側にあるベンチに向かった。
「めっちゃ、涼しい……」
朝から騒々しい。ゆっくり少しでいいから休みたい。そんな気持ちから、ベンチに寝そべり夏の青空を眺めた。
――
ある場所の暗い部屋。そこで数名の白衣を着た大人達がパソコンのキーボードを叩く。暗い部屋を照すのはパソコンのディスプレイの微かな明かりしかない。大きい熱帯魚の入った巨大な水槽を背景に白衣を着た男が一人の男に近付いた。
「博士どうしますか?」
「予定を少し切り上げて只今より、計画を開始しますよ」
「はい。分かりました」
博士と呼ばれた若い男は水槽の中に餌を入れる。中の熱帯魚は優雅に水槽の中を泳ぎ回り餌にゆっくりと近付いていった。
「ふふふっ」
博士の口がニヤリと不気味な笑みを浮かべる。熱帯魚は大きな口を開け餌を丸飲みにした。
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