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「ん、んー」
誠也はどうやら眠ってしまったらしい。それでも目を覚ました時、一番最初に見た空は変わりのない快晴の空だった。
「あっやべー。今何時だ?」
慌てて携帯電話を見る。そして琴美が去っていってから僅か五分しか経っていないが事がわかった。そして誠也は「なんだよ」と安心して立ち上がる。
次の授業にはまだ全然間に合う。それが誠也を安心させたのだ。しかし、かなり余裕がある訳では無い。誠也は正直まだ眠い目をこすりあげ校舎に向かった。
ようやく校舎にたどり着いた頃、誠也に小さな不安が生まれる。何を隠そうも誰一人とすれ違って居ないのだ。それらを計算するとある答えにたどり着いた。
「まさかな……」
他でも無い。授業が既に始まっているという事だ。それでは琴美に殺されてしまう。と誠也は不安に思った。その事もあり誠也が昇る教室へと続く階段も足取りが遅くなる。
学校の二階、誠也の教室がある階にたどり着くと誠也の足は思いとは反対に自らの教室に足が運ぶ。
「はぁ……」
教室の前で呼吸を軽く整え意をけして扉をあける。しかし、そこに誰の姿もなかった。
「あれ? なんだ俺が一番乗りかよ」
そんな言葉を呟いて自然に自分の机に足をおもむく。椅子に座って黒板の端にかけてある時計を見ると時刻はまだ九時四十分である。次の授業まで後、五分はあった。誠也はそんなに焦る事はなかったなと思い。机にもたれ掛かる様に寝そべった。
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