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「あー腹減った」
夕陽に照らされたタカヤさんは、首に手をかけながら息を吐く。いつものクセ。
「コンビニでなんか買ってくか。
いや、野球部のやつらがいたらめんどくせぇな」
「そうですねぇ。タカヤさん、いつもからかわれてますもんね」
「水谷とか特にな」
私が笑うと、タカヤさんも嬉しそうに微笑んでくれる。
それから頭をポンポンと叩いてくれる。
見上げると昼間とは違う顔のタカヤさん。
お日様の下で大きな声で泥んこになって練習してるみんなのタカヤさんと、夕陽に照らされながらあたしの隣で優しそうに微笑んでくれるタカヤさんは別人みたい。
「今日は練習早く終わって良かったですね」
「ん? まあな」
一緒に帰れるから、嬉しい。
タカヤさんはそんなこと言わないけど。
私と一緒にいれて、嬉しいですか?
私と会えなくても辛くないですか?
聞いてみたいな。
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