そんな儀式で大丈夫か?(前編)

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ー魔王城・神託の間ー ここは魔王城の地下、神託の間と呼ばれている所だ。 俺はそこに母上に手を引かれながら連れられていた。 「へぇ、こんな所が地下にあったんですね」 産まれて10年、その間は特に何事も無かったので出来れば省きたい。 しかし意識は死ぬ前の20歳だ。 「ノエル、もう少しで着きますからね?お利口さんにしていなさい」 そんな俺に優しい声で語り掛けてくれるこの女性はリディス、俺の母親だ。 「はい、分かりました。母上」 「フフ、本当にノエルはお利口さんね」 思えば自我が目覚めるまで前世の記憶とか要らなかったんだよな。
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