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着替え終えたスバルは、洗面所で顔を洗っていた。
泡を洗い流し、手早くタオルで滴を拭う。
寝癖ではねまくっていた髪は、櫛で整えられシルクの様にさらりと真っ直ぐ伸びている。
スバルは、お気に入りの空色のシュシュで髪を一つに縛り、ポニーテールにした。
鏡の前で入念に自分の姿をチェックし、満足げに頷くと、洗面所を出てリビングに歩いて行った。
キッチンに入ると、朝食のトーストの香ばしい匂いが、スバルの鼻をくすぐる。
因みに高町家の朝食は、和風洋風と日によって違う。
「おはよ。母さん」
スバルは台所で朝食を作っている母、千世(ちよ)に挨拶した。
千世は茶髪のショートカットの、活発そうな印象を感じる女性だった。
「おはよう。今日は自分で起きれたのね」
「うん。あ、おはよう父さん」
スバルは椅子に座りながら、新聞を読んでいる向かい側の父に話し掛ける。
「…ああ」
無口な父、春信の返事は素っ気ない。
昔っからなので、特に気にする事はないが。
「いっただきまーす」
元気に挨拶すると、スバルは焼き上がったバターを塗ったトーストにかじりついた。
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