36人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
気がつけば、真っ白な空間。
「なんだ、ここ?そしてなんだあれ……」
俺の目の前には、白い髪に白い目(白目を剥いているようにしか見えない)で色素のない真っ白な肌の白いスーツを着た、全身白の男がいた。
ドヤ顔で……。
「何あれ、キモ……」
気がつくとその白い人は、俺の目の前にいて、ステッキで俺の額をぐりぐりとしていた。
正直払いのけたいが、俺は冷や汗を掻き、そいつの目をただ見つめることしか出来なかった。
「フフフ……、まあ私の目を見つめてられる時点で合格にしましょうか、普通は気絶してますからねぇ」
ステッキを額から離し、俺に顔を近づけて、笑顔を向けたあと白い人は口を開く。
「桜田志真(サクラダ シシン)、19歳無職、毎日、山田幸隆の写真を見つめながらうじうじしている、彼女いない歴年齢で童貞君で間違いないかな?」
「ま、間違いない、なんでそんなことをお前が知ってるんだ?」
俺がお前と言った瞬間に目がカッ!と開かれ、俺はまた動けなくなる、これが殺気というやつなんだろうか……怖すぎる。
「志真君、私はねぇ、神、神様なんだよ?だから神様って呼びなさい、ねぇ?」
「はい……」
夢だよな、神様が出てくるなんて変な夢だな、頬を抓ってみる。
「痛く……ない。やっぱり夢か」
「あのねぇ、君は魂の状態なんだから痛みも感じないの。わかる?志真君は死んだんだよ?心臓麻痺でね」
「心臓麻痺……、なあ、神様は、山田幸隆について知ってないか?さっき山田幸隆の写真を見つめながらって言ってたし、神様ならわかるだろう!あいつは天国にいけたんだよな?まさか、地獄じゃないよな?」
最初のコメントを投稿しよう!