夜汽車の霊夢

10/58
前へ
/58ページ
次へ
(そしてもう一つのフライは……) (イカのリング揚げ) 女の頭いっぱいに、菜の花畑が広がる。 どこかでさえずる小鳥たち。 イカリングを思うだけで、女はしばし、どこかに昇天した。 時が止まったように静止する。 「ゆっ!ゆっ!とぶのつかれたから、ちょっとやすむよ…!」 「ああっ!そこで休んじゃだめーえ!」 弁当箱の上で休憩しようとする珍獣。 女は悟りの域に達し気付かない。 そこへ、これまた颯爽と保護者が滑り込み、持ち去る。 勢いと怒りで、珍獣を半分握りつぶしていた。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加