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(そしてもう一つのフライは……)
(イカのリング揚げ)
女の頭いっぱいに、菜の花畑が広がる。
どこかでさえずる小鳥たち。
イカリングを思うだけで、女はしばし、どこかに昇天した。
時が止まったように静止する。
「ゆっ!ゆっ!とぶのつかれたから、ちょっとやすむよ…!」
「ああっ!そこで休んじゃだめーえ!」
弁当箱の上で休憩しようとする珍獣。
女は悟りの域に達し気付かない。
そこへ、これまた颯爽と保護者が滑り込み、持ち去る。
勢いと怒りで、珍獣を半分握りつぶしていた。
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