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全身痛みでガチガチの俺は、精一杯の強がりを見せた。何とかして笑いたいんだが、顔がひきつって、変な笑みを浮かべているのが容易に想像出来る。
「待っていろ。
すぐ家に帰って助けを呼んでくるから」
そう言って零は俺から離れ、同時に身体は軽くなる。確かに零の家はここから近い。よくよく考えたら、昔ここら辺でよく零とかくれんぼして遊んでいたよな。
風になってだんだん遠ざかる零を見ながら、俺はそんなことを思い出していた。
秋風が、俺の真上や真横を通り過ぎていくのが、痛む頭や背中にちょうど心地好く、俺はいつのまにか意識を手放していた。
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