盗むなら堂々と

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~エデン《神々の楽園》~ ここには多数の神族達の住む神聖かつ神秘的な場所。屋内ではなく、唯一大きい扉があるくらいでそれ以外はなにもない場所。 空は真っ青で、太陽も眩しい。比喩するなら『快晴の空』といったところだろう。 地面は真っ白で、綿でできてるんじゃないかと思うほど、ふかふかして柔らかい。 「雲の上もこんな感じなのかなー」 まるで、まだ理想と現実のくべつのわからない子供のような考えを呟きながら歩いていく。 「あーそれにしても面倒くさいことになっちまった」 青と白しかないこの場所で一人呟いてみる。 そして、ふと今までのことを思い返す。 今までの人類と魔族との戦争 父親の正体 恋人とのこと それらの映像がを走馬灯の様に頭に流れる。 あまりに悲惨で残酷で残虐で嘘で塗り固められていた真実。 そんなことですら懐かしく思えてしまうから不思議だ。 「さすがは、この世の極楽か」 一歩歩くたび、一切の苦しみから解される気分。 これが極楽。 これが天国。 まったくヘドが出そうだ。
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