盗むなら堂々と

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二人の距離が残りおよそ、10m程度になった所で立ち止まる。 「これはこれは、神族の王じゃないですか」 小馬鹿にしながら話しかける。 そこで不思議に思ったのが、見た目が男のなのである。 初めて会ったときは、綺麗な女だったのに、と少し残念な顔をした。 今日二度目のため息をこぼしながら、 「なんで僕がここに来たか理由わかりますか?」 疑問文で聞いたものの、相手は神だ。なんでも知っている。 これからの事を全て。 僕が起こそうとしていること。 その生物は少し息を吐き、口を開いた。 「貴様は面白いな、実に面白い」 ゲラゲラと笑い始めた。 鬱陶しい声だ。 少し顔を強ばらせる。 「で、どうすんですか?」 ゲラゲラ笑う生物を冷酷な目で見ながら聞く。 無論、生物の答えは分かりきっている。 別に僕は相手の考えを知る術など持ち合わせてはいないが、簡単に分かることだ。 生物は咳払いをし、 「当然その計画は認められん。大体、それは我ら神族の《     》と一緒だろう」
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