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彼が来るのはこれで3日連続
半笑い気味に、どうしたのよ?って訊くと、なんかモジモジして言いにくそうに
『なんかわからんねんけど、毎日ちぃの事考えてしもてな、とにかくちぃの声聞いてると癒されんねん』
確かに私の喋り方はおっとりしてるし標準語だし、友達にもアニ声で萌え~とか言われる
催眠効果まであると言う奴も多いさ
彼は自営の建築業で、朝も早いし仕事終わりはヘトヘトだろうと思う
だから毎日来ること無いんだから、遊べる時に遊べばいいじゃんってゆっくりと言ってみた
『なぁ…ちぃこっち向いて!』
ん?何?って運転席側を向くと、おもむろに唇に軽くチュッとキスされた
多分私は鳩が豆鉄砲を食らった顔(見たこと無いけど)をしていただろう
『チューしたった♥』
嬉しそうに言う彼に、真顔で何すんのよ?と訊く私
すると
『俺な、彼女と別れたばっかやし、そうそう好きになったりせんねん…でもちぃの事は毎日気になってしもて、仕事中も考えてまうねん』
『だから…ちぃが俺の最後の女になって欲しい!』
最後の女って何?
そんな急に好きとか意味がわかんないし
とにかく丁重に断った
私は手が不自由で自分の事もままならないし、第一私は別居中とはいえ夫が居るのだから
緊張の告白と断られた事と、毎晩の疲れが出たのか、彼は車の中でウトウトと眠り始めたので
『ほら~早く帰って寝ないとお仕事辛いよ~?』
そう言うとサイドの肘掛を上げて、ゴロンと私の腿に頭を乗せて眠り始めた
起こしても起きないし、身動きとれないから、朝靄でほんのり明るくなってから、キツいめの口調で
『今日もお仕事なんだから、もう帰りなよ。好きとか付き合うとか、私無理だからとにかく事故しないように頭ハッキリさせて帰りなね~』
そう言い残して車から出た
恋愛とか無理
私は自分の事すらちゃんと出来ないし、急に恋愛感情なんか無理に決まってる
なんかもやもやが残った
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