エピソード3

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私は横になっていた体を起こし、ベットから飛び降りた。 私の通う西工業高校は変な校則がある。 遅刻した者は男は坊主、女は黒髪にされてしまう。 その他の規律は緩いのに、何故だか遅刻に関しては厳しい。 とにかく、遅刻するわけにはいかないのだ。 「どうしたんだ?」 いきなり慌て始めた私を見て京さんが声をかけてきた。 「た、大変だよ!京さん!!」 「なんだよ!」 「ここどこ!?」 「・・・優、落ち着け」 呆れた表情を浮かべる京さん。 でも私はそれどころじゃない。 「ち、遅刻しちゃう!」 「遅刻?まだ大丈夫だろ」 「大丈夫じゃないよ!だってここから学校までどのくらいかかるかわからないんだもん!」 「だから落ち着け。ここから西工までは車で10分もあれば着くから、大丈夫だ」 「え?そうなの?」 案外学校から近かったという事に驚いた。
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