エピソード3

43/78
3179人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
「ねぇー!いつまで笑ってんの!」 「いやー、ほんとおもしれぇなとおもって」 いまだ爆笑し続ける渉に少しイラっとする。 「煙草!もう一本頂戴!」 「はいはい」 渉の手から箱とZIPPOが渡される。 「大丈夫だ」 「え?」 「俺がここで煙草吸ってんのはバレてる」 「えっ!?ちょっと・・ダメじゃん!!」 バレてるのに大丈夫って何言ってるの!? 渉の言葉の矛盾に混乱する。 「誰も何も言ってこねぇ。面倒なんだろ」 「面倒?」 「家の事」 「あ・・・」 渉が言う『家の事』とは、渉の家が極道だと言うことだろう。 だからといって先生がそんなんでいいのかって疑問に思う。 確かに渉の家は極道だけど、賢パパも淳ママも話せば普通の人だ。 でも世間の目は『ヤクザ』という一括りにされてしまうのかもしれない。 そう思うと悲しくなった。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!