担任×生徒

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「………………で、なんでお前はそれを俺に言う?」 「先生は経験豊富じゃん」 「…………」 「どっちもいけるんでしょ?」 「それはそうだけどよ」 どっちもいけるんだろ。 そんなことを生徒に言われる教師ってどうなんだろう。 「そりゃ、先輩がそんなつもりじゃないってわかってたよ」 「…………でもキスしたんだろ?」 「しました」 「お前それはいくらなんでもよ……」 「ノンケの先輩に不意打ちしました」 「潔く認めてもさあ、それはいかんだろ」 「だよね……」 とたんにしゅんとする教え子。 見た目は中性的だから、その表情はよく似合っている。 正直、可愛いのだ。 「むしろ、押し倒したときすっげえ興奮した」 「………………おい変態帰れ」 「やだ先生助けてよー!」 「なんで俺はお前の恋愛相談しなきゃならねえんだよ……」 なんて言っておきながら、高橋は内心この時間を楽しんでいた。 火曜水曜金曜日、昼休みの理科準備室。 教え子の鈴木のために鍵を開けて待つ。 「だから、先生しかわかってくんないの」 「お前に俺が両刀だって言ったのはそういうつもりじゃねえよ?」 「わかってるよ」 鈴木に自分がどっちもいけることを打ち明けたのは、恋愛相談を受けるためじゃない。 そのときは、まだ鈴木が男もいけるなんて思っていなかった。
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