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青い空、ぽかっと浮かぶ羊雲の群れ。
生い茂る木々の幹からかいま見る世界は十分綺麗で、輝いて見える。
それが狭い世界だとわかっていても、憧れてしまうのはやっぱり田舎者だからかな?
「あ~あ…」
ため息につられて抱えていた紙包みがずり落ちる。
慌てて抱えなおし、また空を見上げた。
相変わらず青い空に羊雲、春を迎えた木々には新緑が眩しい。
ってぼんやりしてる場合じゃない。
「メディおばさんに薬草届けなきゃ…」
頑丈が取り柄なだけの質素なブーツで歩きだした、その時。
突然吹いた風がレナの茶色の髪を掻き乱した。
そして村の子供たちの悲鳴も。
「な、何?」
この際気まずい顔でメディおばさんに薬草届けるより、子供たちの方に駆け付けた方がいい気がする。
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