歌を捨てる

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はぁ....とアキトはため息一つ。 「ゆっちもちゃんと勉強しないとだめだよ?もうPC禁止ねっ!来年大学受験だよ?同じとこ行きたいんだし、マジメにやってよ。」 「マジメに歌い手がやりたいです。」 「もう....。」 「でもさっ!アキト歌好きじゃん!?」 「・・・。」 「歌うまいし!」 「それは全部昔の話。」 「そんなことないって!俺、アキトの歌聞きたいよ!」 「ゆっち。」 アキトは俺の目をじっと見つめる。 「?」 「もう、二度と歌の話はしたくない。」 「えっ」 うそだ。あんなに歌が好きだったのに。なんで?その時のアキトの表情は物凄く悲しそうだった。 「アキt...」 俺の言葉はアキトに寄ってきた女子の声でかき消された。 「・・・。」 *昼休み* 「ゆっちー」 「うん?」 廊下をフラフラ歩いてた俺に話しかけてきた男子。 雨崎総仁(あめさき としのり) あだ名:のり メガネ男子で、少し渋い。この間手遊びしてたから何してるの?って聞いたらボケ防止だってw ちょっとズレてるところもある。んでもっていつものりの後ろをちょろちょろしてるちっさい子は同じクラスの菜花大空(なのばな そら)。あだ名:そら。極度の引っ込み事案で生まれた時からずっとのりと一緒にいて離れないらしい。Myジョウロで毎日花壇に水をやっている。大空はずっとのりといないとダメらしい。本当にちっさく、ちょこまかしてるもんだから全く高2には見えない。だけど、、、今のりの後ろに大空がいない。 「大空は?」 「ここにいるじゃん。」 そういってのりが回れ右する。したらのりの背中にピッタリくっついてる大空がいた。おんぶか、これは。ちっちゃいから前からは見えなかったよw 「なんか、眠いみたい。」 のり、お前は母親か(^ω^) ほんとにのりはお人好しだなw」 「そんなことねぇよw」 ・・・ん?まてよ。のりはお人好し...だったら! 「のり!!」 「はいぃっ!?」 俺の大声でのりが驚く。すると大空も。 「はぁっ!??」 あ、そうそう人見知りちゃんでした。 「ごめん、のり。」 「いや、大丈夫wだよな、大空。」 大空は未だにガクガク震えている。 「じゃあごめんゆっち、その話、放課後でいい?;」 「あ、う、うん。」 「それじゃあ!」 のりは大空をおんぶしたまま外へ向かった。多分大空の機嫌とりで花壇にいくのだろう。 「・・・すまん。のり。」
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