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地上には幾つかの大国が存在しており、領土を広げようと戦争が今でも続けられている。種族や魔物は数え切れない程に存在している世界。
その名はグースラと言う。
グースラ南東の国には森林が多く、人が簡単に迷うくらい生い茂っている場所が幾つも点在していた。
その外れには小さな村があり、他に比べ文明が遅れていた。
「クク。美味しい獲物が沢山いる村だな」
汚らしい格好した無精髭の男。
「野郎共!取りかかれ!」無精髭の男、彼はこの一帯を縄張りにしている山賊の頭ダバンであった。
夜の闇に紛れ村へ襲いかかって来たのだ。
手下達はやりたい放題に村を荒らしまわった。
家を焼き、村人は斬られ、物は盗まれて行く。
その光景をダバンは愉快そうに小さい樽酒を飲み微笑していた。
「もう!止めて下さい!」
泣きながら懇願する村娘。娘はダバンの隣で必死に頼み込んだ。
ダバンは一蹴した。
「貴様。俺様はダバン様だ!頼むなら相応の物を差し出せ!」
ガハハハと大笑いして酒を飲む。
村が焼け落ちて行く姿を耐えきれず娘は目を閉じる。自分に出来る事は祈る事しか出来なかった。
『神様!助けて下さい!』
その瞬間、光の塊が突然現れ目の前を真っ白に染めていく。
段々光が収束し一つに纏まる。そこには天界から降りたアークの姿があった。
「オメーどこから現れた!」
ダバンは刀を抜き大声を上げた。
本来降りる場所は違う地点であった。しかし、強い力で引き寄せられたのだ。
ルークは力の根源である娘を見定めると背中に下げた長刀を引き抜いた。鋭い視線を山賊に向け、冷たい声で言い放った。
「貴様等、命はないと思え」
山賊ダバンの号令で手下達が遅いかかる。剣を華麗に交わしながら次々と倒していく。
端から見るとレベルが全然違う事が分かる。
「残りは貴様だけとなったな」
「オメーよくも俺様の部下を!」
ダバンは怒りの形相で襲い掛かる。
「臭い近寄るな」
ルークは掌を前にかざし、魔の力を収束したエネルギーをババンに打ちはなった。
ダバンは声に成らない声で消滅した。
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